「なぜ、足利さんは『手のひらセラピー』を広めようと思ったのですか?」
ある雑誌のライターさんに、そう聞かれました。
わたしは、実は、自分のことを話すのが、あまり得意ではありません。
講義をしたり、取材をしてもらったり、そんなときは滑らかにお話できるのに、プライベートなことを伝える、となったとたんに、カチカチになってしまうのです。
でも、それはとても大切な質問だし、同時に、ずっと、あなたに聞いていただきたいと、心から願っていたことでした。
上手にお伝えすることはできませんが、お話をさせてくださいね。
父が脳梗塞で泡を吹いて倒れたときに「手のひらセラピー」で一命を取り留めたことを、お話したことがありました。
やっと父に恩返しできた、少しだけど罪滅ぼしをすることができた、そう思いました。
わたしは、父を救えたことが嬉しくて、とても嬉しくて、たくさんの人に元気になってほしいと、強く願うようになりました。
当時、わたしは父の元を離れ、鹿児島で暮らしていました。
「手のひらセラピーのイベントをしてください。手のひらセラピーをしてください」と頼まれれば、できる限り、そこに赴きました。
多くの人が招いてくださり、あちこちの地を訪ねました。
たくさん人たちとの、素敵な出会いがありましたました。
大好きな人が増え、多くの人が「手のひらセラピー」で元気になり、「手のひらセラピー」を好きになってくれました。
その頃のわたしは、そんな笑顔と会えるのが、嬉しくてたまらなかったのです。
「手のひらセラピー」で、もっともっと多くの人を元気にしたい、そんな希望にあふれていました。
そして、気がつくと、わたしは父のところに、あまり戻らなくなっていたのです。
ある あたたかな春の日に、久しぶりに実家に帰ったわたしは、父と散歩に出かけました。
父と母が出会った頃にピクニックに行ったという、思い出のある公園です。
そのとき、一緒に歩いていた父が、いつになく優しい声で、おかしなことを言うのです。
「めぐ。そこに大きな段差があるから気をつけて」
それを聞いて、背筋が凍りついた瞬間を、いまも鮮明に覚えています。
若草色の葉を揺らす木々と、やわらかな木漏れ日と、わたしを見る父の優しい横顔。
その情景を思い出すたびに、泣きそうになります。
父が指さした場所に、段差はありませんでした。
父は過去に肺がんを患いましたが、克服したかのように思われていました。
でも、がんは見えないところで、脳に転移していたのです。
のちに脳の画像を見たとき、全員が言葉を失いました。
父の脳は、がん細胞に侵されて、圧迫されて、小さく小さくなっていたのです。
父の見た段差は、がんの転移した脳が見せた幻でした。
わたしは何をしていたのだろう。
「手のひらセラピー」でみんなを元気にできると思って嬉しくて、あちこちに出掛けてばかりいて、なぜ、父を見ていなかったんだろう。
なぜ、父のことを守れなかったんだろう。
父は、それから半年程して亡くなりました。
ずっと、そばにいました。
昭和ひと桁生まれで、頭がかたくて、物理学の研究者で、あり得ないくらい厳しくて、そんな父の面影はどこにもありませんでした。
はにかむような笑顔、穏やかな眼差し。
字が書けなくなり、昔のことを思いだせなくなり、「お父さんはバカになっちゃったのかな」と悲しそうな顔をする父に、少しでも安らかな気持ちでいてほしいと願いました。
毎日 一緒に、手のひらを見て
「今日は親指の先がふっくらしているから、調子がいいね」
「手のひらがペチャンコで胃が疲れているから、お粥にしてもらおうね」
そんな話をしながら、何度も手をさすりました。
心の中で、「お父さん。ごめんね。ごめんね」と、つぶやきました。
父が亡くなったのは、とても寒い日の朝でした。
そのときに、父と自分自身に誓ったことがあります。
それが「手のひらセラピー」を広めることです。
あのときに、母に「手のひらセラピー」を伝えていたら、母は、父を守れていたかもしれません。
もっと早く、あなたに「手のひらセラピー」を伝えていたら、あなたは、あなたの大切な人を救えていたかもしれません。
「手のひらセラピー」は、わたしだけが できてもダメなのです。
「なぜ、手のひらセラピーを広めようと思ったのですか?」
それが、わたしのお返事です。
「手のひらセラピー」を広めるようになってから、たくさんの方々の涙と祈りを、目の当たりにするようになりました。
大切な家族が病気なのに、なすすべがないと泣いている人
小さなお子さんがいるのに、自分の余命が短いと知らされた人
検査の結果が出るのと同時に、死を宣告された人
そんな方々に、何もできずに泣く日々を、過ごしてほしくありません。
あなたに、そんな思いをしてほしくありません。
わたしたちは、お医者さんではありません。
だから、医療行為をできません。
でも「手のひらセラピー」ができるようになれば、あなた自身や、あなたの大切な人を、守ることができるのです。
医療とは違うところから、大切な誰かを守ることができるのです。
だから、わたしは あなたに「手のひらセラピー」を伝えたいのです。
「手のひらセラピー」を、できるようになってほしいのです。
それが「手のひらセラピーの祈り」です。
とても長いお話になりました。
最後まで聞いてくださり、ありがとうございました。
このお手紙を読んで
「手のひらセラピストの資格」に関心を持ってくださったり、これからも「手のひらブログ」を読もうと思ってくださったら、こんなに嬉しいことはありません。
いつも、あなたと、あなたの大切な人の元気をお祈りしています。
明日も、明後日も、あなたが元気でありますように。
あなたの大切な人が元気でありますように。
*「手のひら通信」を読んでくださっているかたへ
明日から、「手のひらアンケート」をお送りいたします。
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明日から、手のひらセラピーの体験会や講座の準備で少し慌ただしくするため、少しだけ、ブログをお休みいたします。
次のお便りを、待っててくださいね。
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